結構普通に喋られるんですよね。

ごまかし、ごまかしではあるが、吃音者じゃない限り

この人って、「ちょっと変」とは分からないぐらい喋れます。

冗談を言って人を笑わせたりもします。

だから、ある時上司から「今度社内でイベントをする事になったんだが、司会を頼むよ!」って言われた。

普段の会話ではまあ喋れても、かしこまった場面では必ずどもる。いやいや、全く最初の言葉が出てこない。

今までの経験から分かるんです。

ましてやそのイベントでは、お得意様も招待するので、来賓として紹介しなければならない。お客様にも失礼だし、自分自身も辛い、惨め、もう考えただけで頭の中はメチャメチャ。

だから、上司に言いました。「実は私は吃音者なんです。普段喋っているのもごまかしながら、どもりながら喋っているのです。だから、申し訳ありませんが、お断りします。」って言った。

上司、「そんな嘘をついてまで断るな、これは業務命令だ。」って言ってくるわけ。

「嘘ではありません。来賓のお客様にも失礼だし、ましてや私が耐えられません。お断りします。しかし、自分の出来る事は精一杯やります。嘘ではありませんどうか分かって下さい。お願いします。」

上司、少し間をおいてから「本当のようだな。分かった悪かったな。」

って言ってくれました。

逃げたんじゃない、自分に正直でありたい。

少し前の自分なら、「もしかしたらうまく司会が出来るかもわからない、そうすれば俺の評価もあがるぞ。」って考えただろう。うまく行ったかもわからない。

しかし、今回はNO!と言い続けた。

今では、これも吃音改善の一つだと思っている。

NOとはっきり言う。